大連散策レポ('00.4.16)

画像=3K  大連って曲のタイトルだけの地名で、その場所すらも知らなかったのです。
 こうして地図で見ると、たぶん日本から最も近い中国なのでしょう。
 日本からは、毎日ではありませんが、東京・大阪・福岡・仙台・広島・富山から国際線が飛んでいます。
 フライトは東京からだと正味3時間はかかりません。グアムやサイパンよりも近い外国なのです。
 日本からの進出企業も多いらしく、現地滞在員の数も3千人とか。
 緯度的には新潟と青森の中間くらい、私が訪れた4月の中旬は、朝晩やや涼しいものの
 とても心地よい風が吹く、しのぎやすい気候でした。

(c)看看大連

画像=7K  ここは上海に次ぐ中国第2の港町。
 空港から市内へ至る道筋は、クレーンが林立する臨海工業地帯のようです。
 大きな看板が見られるものの、その風景はやはり地味というか、
 浮わついた反映を謳歌するような派手な広告は見当たりませんでした。

 ホテルの窓より港を臨む

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 市内に入ると、もうやたらとビルや公園、道路、あちこちで工事中。
 ドデカイ絵看板がいかにもこの国の感じですね。

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大連で最も人が集まる広場が中山広場。パリを真似てデザインされ、ここから放射状に大きな道路が延びています。 広場の回りにはバロック風やゴシック風の歴史的な建物がズラリと並び、 これはこの都市の歴史と関係のある物ばかりです。 夜になるとライトアップされ、それはそれで奇麗なのですが、余りに綺麗過ぎて 何かディズニーランド風のセットのような印象も持ってしまいました。 日曜日、この広場は「鶏毛鍵(けいもうけん)を蹴り、けまりのようなことをして遊ぶ若者、 楽しそうに語り合うカップル」とガイドブックにある様子そのままでした。 鶏毛鍵(けいもうけん)はバドミントンのシャトルをもう少し大きくした感じの物。 各道路にはその名を示す案内板がどこにでもあるので、地図さえあれば簡単に 次の目的地へ行くことができます。

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中山広場から開放街へ入り、七七街へ入ると、かつての日本統治時代の高級住宅街。 まるで田園調布か高輪の高級住宅街か、と思わせるような風景に一変します。 それまではいわゆる共同住宅が多かったのに、この地域は庭付き一戸建てです。 「大連慕情」に描かれた「父」は、きっとこんな所に住んでいたのではと想像してしまいます。 七七街もはずれ近くになると日本語の看板(カラオケとか焼肉とか)も見られますが、 かつての日本人街らしい面影はあまりありませんでした。


画像=17K 七七街から延安路を経て、南山路の突き当たりが労働公園。市内最大の公園で、 結構急斜面に緑の木々や芝生が植えられ、ここからの眺めは正に壮観。 未来都市を思わせる高層ビルがいくつも見えます。他の国の大都市と同様、こういう立派なビルは ほとんどが銀行だったりホテル(大酒店)だったりする訳です。 日曜日のお昼時、家族連れ、恋人同士、お年寄り等など、本当に自然を楽しんでいるようでした。 珍しかったのが、客の望む文字を龍や花の飾り絵を付けて描いてくれる大道芸術家。 なかなか色鮮やかで、いかにも中国風の作品をスイスイとこなしていました。 客寄せ用のディスプレイ(見本)が山口百恵ですよ。スゴいですね〜。 売店で買ったシャボン玉を吹きながら微笑むカップルも見られました。素朴でイイですネ。 そよ風に乗って、港方向からボーッと船の汽笛が聞こえてきました。
(サッカーボールの形をしているのは「大連市建築美術館」)


画像=18K 労働公園の北口を出て、友好街を直進すると町の雰囲気はかなり庶民的な味わいに変わります。 「交電家電商場」つまり東京の秋葉原電気街のような所に出ます。 どうも並んでいるのは、家電製品よりも工具類(水道や工務店関係)が多かったようです。 このあたり、低いながら高さが揃った建物が続き、トロリーバスや路面電車も走り、 昭和初期に撮影された上野駅を見ているようなタイムトリップ感覚に襲われました。 このあたりから大連駅・勝利広場に至るあたりは、本当にものスゴい雑踏です。 この人並みのモノスゴさは、自分なりの中国のイメージとやっと符合した次第。

日本からの団体客は少し足を伸ばして、旅順・ニ○三高地方面へ行くのが普通の観光ルートのようです。 戦争や歴史を思わずしてこの地域を語ってはいけないのかもしれません。 この街の名物、アカシアが咲き誇るのは5月下旬。 ただ、最近は湿度の関係で以前ほどはきれいに咲かなくなったそうです。 また町じゅうにあふれるようにあるのが、いわゆる写真館。 新婚さん、旧婚さんが、ウェディグドレスを着て記念写真を撮るのが流行しているそうです。 人民服ルックのお年寄りと、携帯電話も使いこなすビジネスマン(コワい系の人かも?)、 ショッピングセンターには若い人々がワンサカあふれ、片やリンゴやタマネギを籠に入れて 売り歩く商人、粉を練って焼いただけの屋台売りもいて、何か懐かしい素朴さと 飛び切りの現代が渾然一体となった、不思議な活気のある街、それが私の大連の印象です。

マックはここにもありました どこか懐かしく・・・