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7月6日(木) (Update '00.7.14)

(全てメモと記憶により書いております。)

全公演が終了して1週間後。加速度的に思い出と化してゆく中での最後のレポ

ついにこのツアーもファイナルを迎えてしまいました。
さすがに会場には全国各地からお知り合いが大勢駆けつけています。
79公演。本人はMCでまんざらそれほどの回数ではないと言われていますが、
やはりスゴい回数だと思います。キメ細かく全国を回り、本当に久しぶりに
公演があった土地も多かったことでしょう。
きのうまでの自分の体調不良も、ドリンク剤で跳ね返し、きっと、もう今日しか
聴けない曲もあるのだろうと、心に刻むように聴くことにしました。

19時15分、カウントダウンの時の衣装で登場、拍手がドッと湧き起こります。
荒井時代のステージを観た経験のない自分には、これだけでタイムトリップの気分。
歌い出す「ベルベットイースター」
私自身、この曲がアルバムに収められる以前に、東京音楽祭エントリー曲紹介の
ラジオ番組(TBS)でこの曲が流れて、その場で「荒井由実」を知り衝撃を受けた、
自分にとってユーミンの原点となる曲。
いつ聴いても斬新な余韻を残す名曲。
今回、正真正銘の唯一のピアノソロが終わると、歌い始めはひじをつきながらの
「ジャコビニ彗星の日」
これもユーミンの感性があふれた素晴らしい曲。涙が出そうになります。
その気持ちが情景描写の中で、いっそう際立って伝わってきます。

背景が変わって、リズミカルな「生まれた街で」になると、
急にステージが華やかになる感じがします。
この曲になると、ステージを微笑みながら見回すユーミン。
ミュージシャン、コーラスとのアイコンタクトを取りながら、身体を揺らしての演奏は
本当に楽しんでいるように見えます。市川さんのギターアクトも気分を盛り上げます。

そしていよいよ最初のMC。基本的には前日と同じですが、
「Frozen Roses ツアー最終日にようこそ。もう何か実感がわきません。長いツアーだったんで・・・」。
そうですね、まだ次があるかのようにリラックスしている感じです。

引き続き、「たぶんあなたはむかえにこない」
15列目正面からのステージは、曲に合わせて明滅する様々な色の照明が、
今夜はひときわ映えて見えたように思います。
そして、ドラミングから始まる「Night Walker」。正に鳥肌モノの、大好きな曲。
ユーミンの恋愛に関する曲の中では、かなりウェットなほうに属する曲だと思いますが、
都会の中、雑踏に埋もれてしまいそうな哀しい思いが、実に情景感豊かに伝わってきます。
本ツアー、私が一番のお気に入りが冒頭のこの5曲。ついに終わってしまいました。
今度はいつ聴けるのだろうかと思っているうちに。

2回目のMC。スキャットでご披露の新曲もだんだん頭に染み込んできました。
オリンピックの入賞者や敗残者のスローモーションシーンのバックにでも流れたら、
実にピッタリきそうなテンポだと思います。

ここまで、客のノリは特別スゴいとは思えません。先がちょっと心配になってきます。
でも、次の「恋は死んでしまった」ではほぼ会場内総立ち。熱気が伝わりはじめます。
ラメ糸が全体に縫われている2番目の衣装で登場しての「Josephine」
アルバム"Frozen Roses"の中でも最もジャジーで、大人のセンスが光る曲でしょう。
このしっとり感覚、今後も更に深まるのではないでしょうか?

3回目のMCをはさみアンプラグドへ突入して行きます。
このあたりから今夜のスペシャル感がじわじわと湧き出していくようです。
最後のミュージシャンとして村石さんを紹介し、アンプラグドへ入る寸前、
「ムーラン、このツアー中に結婚しました。何とツアーのメンバーと。
しかもステージに一緒に立っている。さて誰でしょう。言いたいけど・・・」。
とても気になる発言に少し会場内の気温が上がったような気もしてきました。
「海を見ていた午後」「巻き戻して思い出を」
「巻き戻して〜」では手拍子も出ず、やはり東京の客はなかなかノってこないのか、と
思いきや、「Lost Highway」で立ち上がる客も見られ、やはりファイナルムード。
続く「ツバメのように」でもそのまま立っている人もおりました。
この曲も次はいつ聴けるか、という曲ですね。
暗いテーマに冷酷と思える程の情景的な歌詞。
悲惨極まるその現場を「名も知らぬ掃除夫が洗っていく」なんて、強烈だなァ〜。

衣装を黒の革ルックに着替えて登場。
「リフレインが叫んでる」が始まるともう一気にライブハウス状態。
ワタクシメもドリンク剤効果が現れ始め、もう完全にハマリまくりでございます。
「アフリカへ行きたい」ではステージと一緒に腕を上げ下げ、
「星空の誘惑」でも疑似ブリザードとでも言えそうな振りに観客も大盛り上がり。
残りのパワーを振り絞るかのようなエネルギッシュな振りを見せる「流星の夜」が始まると、
もういよいよラストに近づいたと思わせ、緊張感も高まってきます。
20時55分頃、大歓声の中、ついに本編が終了してしまいました。

刻々と迫るラストの時。
ピンクのTシャツも今宵はまぶしく見えて、アンコールへ。
「もう最高!このままずっと歌い続けたいです。どうもありがとうございました。」
「守ってあげたい」が始まるやいなや、もう涙ぐむユーミン。
後ろを向いて腕で涙をぬぐう仕草も。
たびたび声がつまって歌も途切れがちに。
「中央フリーウェイ」ではいつもの陽気さを取り戻し、客席と手を振る姿もうれしそう。
流れ星も今夜はサービスで2ツ流れました。ふたつ目はちょっとコースがハズれてたみたい。
もうこれっきり、の「14番目の月」では冒頭、場内2か所から銀色のテープが放出され
一気に興奮する会場。ミュジシャン、コーラスが一線に並んで最後の見せ所です。
ステージの動きとシンクロする観客。
21時10分、アッというまにアンコール終了。

このあたりから2階席に雄たけび集団(?)の大声援が目立ち始め、上を眺める客多し。
そしてダブルコールへ突入。ユーミンと武部さんが登場。
「どうもありがとうございました。(涙ぐむことに)ごめんね。
私のパフォーマンスもいつか終わる日が来るけれど、あと15年くらいは・・・」と
うれしくなるお言葉に、声援は更にボルテージを上げます。
「青いエアメイル」。シーンと静まる満場の客。心に染み渡るとは正にこのこと。

さて、ここまで来て、トリプルコールがないわけがないことを知っている客。
今か今かと待っていると、いつのまにかユーミン登場。向かって左隣には村石さん。
右隣には佐藤有香さんが。
そして「村石有香さんです」と、ここで晴れて正式に結婚のご披露。
驚きと祝福の拍手の中、ミュージシャン、コーラスを次々とステージに呼び出します。
市川さん、中川さん、田中さん、ティナさん、今井君、小野かほりさん、そして
最後に武部さんが登場、定位置に着いて始まったのが「DESTINY」
去年のシャングリラでも終盤に演奏された曲ですが、ステージ遠かったですよね。
このタイミングでこの曲は大スペシャルサービス。
少し湿り気のあった雰囲気もこの盛り上がりで、カラッと明るくなったような気がします。
腕を上げ下げのポーズも決まり、もうこれ以上ない程の興奮であります。

なかなかざわめきがおさまらない会場。もう本当に終わったのか、と待っていると
またまたユーミンと武部さん再登場。前列へ向かう客多し。
「本当にうれしいです。どうもありがとう。この感じ、忘れないようにします。」
そして「卒業写真」。涙ぐみつつ歌いはじめます。
会場も一緒に歌っているような。
終演は21時30分をまわっていました。

ついに終わってしまいました。
でもあまり寂しさは感じません。
ただまた次にいつ聴けるか分からない曲が多かったと思うと、
本ツアーは異様な位に観まくっておいて良かったのかもしれません。

そして8日(土)。Yuming Internet Project名義で送られたメール。
書かれたアドレスをクリックすると、新曲とメッセージが流れる画像のプレゼント。
「それではまたどこかで、近々お会いしたいと思います。さよ〜なら〜」と
明るく手を振るユーミンに、「一生ついて行きますよ」と言いたくなります。
こうして、3年ぶりの逗子マリへと思いは漂い始めるのでした。。