広島厚生年金会館('00.5.12(Fri)) (Update '00.5.14)
(全てメモと記憶により書いております。)

定刻に到着した広島空港は市の中心部からかなり離れた丘陵地帯にあります。
空港からは高速バスに乗って市内に向かうのですが、走り出してすぐに小谷PAの看板が見え、 そしてその直後に西条インターチェンジを通り過ぎました。
そう、あのバス・ジャックの正に現場というか、そんなニュースな所を通り過ぎて行った訳です。

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中学生の時に訪ねて以来の広島。
原爆資料館の衝撃以外は、もうほとんど何も覚えていません。
本館の両脇に東館・西館が出来ていましたが、これも当時にあったのかも分からず。
再度訪れた原爆ドーム(写真左)も、こんなに小さかったのかとあらためて驚く。
数年前に世界遺産に指定されておりました。
この平和公園から大通りを隔てて数分歩くと、グレーの巨大な建物が見えてきます。
それが会場の広島厚生年金会館です。(写真右)
入り口前ではアルバイト嬢が各プロモーターのチラシを配っていましたが、その代わりに 入場時にもらったのは写真シールだけでした。

場内はステージ最前がA列数席のみで、放射状に広がっていく座席配置。1階と2階があります。 ステージの横幅はそれ程広くなく、京都会館ほどではありませんが、バックのセットの半円形が ちょうどキッチリ収まるくらいです。
東京で確保したチケットは、D列=4列目、しかも中央で本ツアー中では最高の席です。
開演の18時30分にはほとんど満席。心なしか会場内のざわめきも他の会場より多いような気がしました。 ステージ前の黒服の係員が、この狭い会場で何と8名も。ものものしい警備です。
警備の責任者でしょうか、ステージ前左端から彼らに座るようにという合図を出すと同時に、 客席がワ〜っと、歓声と拍手が巻き起こります。18時42分、ユーミンはまだ登場していないのに。

そして、レース地が多いスケスケ・タイプの衣装を纏っての1曲目は「そのまま」。
名古屋に引き続き、私は2度目になりますが、ユーミンはまだ歌うのに慣れていない感じで 高音部は少しツラいようにも思えました。 最後まで感じたのは、エコーがちょっと強く聞こえたのと、会場後方からの反響音。 自分の座席の位置によるのかもしれません。

2曲目からは順調そのもの。歌詞に合わせての表情が良く見えるのが前の列の最大の特典です。 「生まれた街で」では、にこやかに会場の方を、1階も2階も見渡してくれています。 まずは最初のMC。
「日本一盛り上がると言われる、とっても楽しみにしていた広島公演も 今日が最後になってしまいました。」との開口一番の後、スグに 「もっとやって〜!」という男の声。絶妙のかけ声で一気にライブハウス状態へ。
「恋は死んでしまった」で、早くも総立ち(少なくとも1階席は)。
「Spinning Wheel」でも座らず、手拍子が続き、武部さんのピアノソロでも止みません。
ビニール状・ラメ入りの衣装に着替えての「Josephine」も立ったままです。
腰が重いワタクシメも、つられてずっと立っておりましたが、 アンプラグドの準備に入る時、「足腰休めて下さい」と言われホッとした次第。

「今日はきれい!」と先ほどとは別の場所からの男のかけ声にも「あなたもよ!」と 切り返す、客席とのキャッチボールも心地よく進んで行きます。
メンバー紹介への導入である去年のシャングリラについて、 「広島でもやりたかった。次回は期待して下さい。絶対来ます!」とキッパリ宣言。
このメンバー紹介もますますリラックスムードになっているようで、 最初に登場する市川サンの「からくりエロ人形」のアクションは更に時間が長くなり、 手作り枕ネタの「裏表にYes/No」という所では、「違う違う」と手を振る田中サンとか、 村石サンの瞬間ガッツ・ポーズ(?)も本の少し長くなったような感じです。 シャングリラでは女性出演者まで目が届かなかった、というエピソードネタでも 「次は最初から頑張って」と話すユーミン。 ウ〜ン、「シャングリラ2」があるのでしょうか?!?

アンプラグドは順に「海を見ていた午後」と「やさしさに包まれたなら」。
自分の周辺だけのことかもしれませんが、曲に合わせて歌詞を口ずさむ客が多いですね。

ステージ上のスポットライトが点滅を繰り返し、「リフレイン」が始まると、待ってましたとばかりに またまた総立ち状態再開始。
振り付きの曲も増えたようで、コーラスの動きにシンクロするのが全く普通の広島の客。
「アフリカへ行きたい」はもちろんのこと、「Now is On」での人差し指を上へ向けるポーズ、 「星空の誘惑」の変形BLIZZARDふうの振りも、ここでは自然に出てきているような盛り上がりです。

始めはゆとりのある表情だったユーミンも、激しいアクションが続く後半になると、 もうそれはそれは鬼気迫ると言えそうな表情に変わり、本編が終わると「やり遂げた!」という 感じがビンビン伝わってきます。
既に涙混じりのユーミン、まさしくステージと客席が一体となりました。

2分余りでアンコール再登場。Tシャツの色はピンク。
「もう最高、もうここでずっと歌って続けていられそうです」と、その後の言葉が出ない様子で 「守ってあげたい」が始まってしまいました。客席の色々な方向へ手を振りつづけるユーミン。 その都度、手を振り返す客。いつもの熱い光景が今夜も続いて行きました。
「中央フリーウェイ」ではB列右側からタオルがステージ上へ投げられ、汗を拭く仕草をして それを放り返す、苗場のような場面も。このヒトは、広島が地元のティナさんの応援団で、 「Tina」と書かれたプラカードを振って本人にアピールしておりました。
観るたびに終わるのが早く感じられ、アンコール終了は20時38分。

ほとんど間を置かずにWコール。
「どうもありがとうございました」の言葉だけしか言えない程に 感激しているユーミン&観客席。流れ出すイントロに、??と思うや「春よ、来い」ではないですか! ここでこの曲というのは本ツアーで初めてではないでしょうか?
深々とおじぎし、その後はパッと両手を広げるオーラポーズ(?)を決めて、去り難くもステージ裾へ消えるユーミン。
客は一人として帰ろうとしません。トリプルコールを求める手拍子は簡単には消えてゆきません。 もう登場しません、とでも叫んでいるような係員の声は手拍子とユーミンコールにかき消され全く聞こえません。 ついに、ステージ上では楽器の片づけが始まります。まだ諦めず、続くWコール要求のざわめき。。
このあたりのパワフルなシーンがいかにも広島の熱い感じなのでしょう。

トリプルコールは結局、ありませんでしたが、上に書いたタオルを投げたヒトが、何か叫んだと思ったら C列あたりまでの中で「3・3・7拍子」の手打ち式(?)が。広島3日間、終わりの儀式でしょうか。。
熱烈なファンばかりが集まったライブ、という印象を強く持ちました。

大阪以外の本州・西日本地区の全公演終了。
Frozen Roses Tour はいよいよ九州へ上陸です。


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★オマケ観光レポ

翌日13日(土)には倉敷を回ってきました。
これまた30年ぶり位、2回目の訪問。前の記憶はほとんど何もないのは広島と同じ。 駅前はもう地方都市ならどこでも同じような感じです。
美観地区=観光地で、いかにも倉敷!という堀沿いの風景は、柳も揺れて風情があるのは確か。
大原美術館の作品群は質も量も素晴らしいと思いました。

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ただ、どうにもこうにも結局はテーマパークなわけで、みやげ店やお食事処がやたらと目立ちます。 午後からは、駅の北側にできた倉敷チボリ公園と合わせた(と思われる)団体客がワンサカ増えました。
駅前広場とチボリ公園の間に教会風の時計台があり、定時になるとその「からくり」が動き出します。 延々と5分以上も続く、音が大きいだけのメロディーが、ストリートミュージシャンの演奏をかき消します。
こんなにチグハグな観光イメージでいいのか倉敷、って感じですね。
岡山駅より岡山空港行きのバスに乗る18時前になり、ついに雨が降り始めてしまいました。
「る・る・ぶ」三昧の1泊2日ではありました。